こんにちは、ファイナンシャルプランナーの楠本です。
「新NISAとiDeCo、どちらを優先すべきですか?」
資産形成についてご相談を受けるとき、必ずといっていいほど寄せられる質問です。
実際、2024年から始まった新NISAと、同じく制度改正が行われたiDeCoは、どちらも強力な税制優遇を持つ制度です。しかし、その性質は大きく異なり、選び方を間違えると「思っていたのと違う」「自由に使えるお金が足りない」といった後悔につながることも少なくありません。
しかも2025年のiDeCo改正によって加入可能年齢や受け取り方のルールが変わるため、これまでの常識がそのまま通用しない状況になってきました。つまり「どちらが得か」という単純な比較ではなく、「自分のライフプランにとってどちらをどう使うのがベストか」を考えることが欠かせない時代になっているのです。

この記事でわかること
この記事では、以下の項目について、肯定的な意見だけでなくリスクや注意点も交えて解説します。
新NISAとiDeCoの根本的な違い
それぞれに向いている人と注意すべきポイント
併用することで得られる具体的なメリット
2025年のiDeCo改正が資産形成に与える影響
最後には、実際に専門家へ相談することで「自分に合った答え」を見つけるためのヒントもお伝えします。

新NISAとiDeCoの基本を知っていますか?
投資を始めたいと考えたとき、多くの人が迷うのが「新NISAかiDeCoか」です。
どちらも税制優遇がある一方で、特徴も制約も異なります。
Q. 新NISAとiDeCo、どちらが得ですか?
A. どちらが得かは人によって違います。
新NISAは自由度が高く、資金をいつでも引き出せるため、教育費や住宅購入といったライフイベントに備えながら資産を増やしたい人に向いています。
一方、iDeCoは60歳まで資金を引き出せない代わりに、掛金が全額所得控除され、節税効果が非常に大きいのが魅力です。
会社員なら住民税や所得税が軽減されるので、実質的な「リターン」が大きく、老後資金作りに適しています。
ただし「流動性の低さ」は大きな制約で、もし教育費など急な支出が必要になった場合に取り崩せないというリスクがあります。
つまり、「今から老後資金を着実に確保したい人」はiDeCo、「資金の自由度を保ちながら運用したい人」は新NISAから始めましょう。

新NISAの魅力と落とし穴
非課税枠の拡大で注目される新NISAですが、万能ではありません。
Q. 新NISAを始めれば安心ですか?
A. 新NISAは資産形成の強力なツールですが、過信は禁物です。
新NISAは年間最大360万円、非課税枠は合計1800万円と大幅に拡大し、長期的に大きな資産形成が可能です。しかも売却や引き出しが自由なので、ライフイベントに応じて柔軟に対応できます。
しかし、投資対象は元本保証のない金融商品に限られるため、短期的には元本割れリスクがあります。
「いつでも引き出せる」という自由度がかえって裏目に出てしまい、相場が下がったときに慌てて解約してしまうケースも少なくありません。
教育費や住宅購入といった期限のある支出を新NISAだけで賄おうとすると、タイミングによっては計画が狂う危険もあります。
自由度が高いからこそ、自分の目的に合わせて資産の置き場所を考えましょう。

iDeCoの強力な節税効果と厳しい制約
節税効果で注目されるiDeCoですが、すべての人に向いているわけではありません。
Q. iDeCoは本当にお得ですか?
A. 長期的に見れば大きな節税効果がありますが、資金拘束が重くのしかかります。
iDeCoの魅力は掛金の全額所得控除にあり、課税所得が大きい人ほど税金の軽減効果が高くなります。
例えば年収700万円の会社員が月額2万円を拠出すれば、年間で約7万円の節税効果が期待できます。これは確実なリターンであり、投資の成績に関わらず得られるメリットです。
しかし「60歳まで引き出せない」という制約が重く、子どもの教育費や住宅ローンといったライフイベントが重なる時期には不自由を感じる人も少なくありません。
加えて、2025年の制度改正では一時金受け取り時の税制優遇が縮小される可能性があり、従来の「退職金と分けて受け取れば有利」という常識が変わりつつあります。
お得さは確かですが、ライフプラン全体の資金需要を冷静に見極めなければ、かえって将来困る可能性があります。

新NISAとiDeCo、両方やるべき?
両制度は併用できるため、上手に組み合わせることで大きな効果を発揮します。
Q. 新NISAとiDeCo、どちらか一方を選ぶべきですか?
A. 実は両方を組み合わせるのが理想的です。
新NISAで教育費や住宅資金といった「流動性の高いお金」を確保しつつ、iDeCoで老後資金をしっかり積み立てるという戦略が最もバランスの取れた方法です。
特に会社員で年収が高い人は、iDeCoの節税メリットを享受しながら、新NISAで中長期的な資金需要に備えるのが合理的です。
ただし、どちらをどれだけ優先するかは、子どもの年齢や住宅ローン残高、退職時期などによって変わってきます。
両方に手を出せば完璧、というわけではなく、ライフステージに応じた比率を考えることが重要です。

2025年改正で変わるiDeCo
制度改正は「チャンス」であると同時に「リスク」でもあります。
Q. 2025年のiDeCo改正はメリットばかりですか?
A. 加入年齢の拡大は朗報ですが、受け取り時の課税ルール改正には注意が必要です。
今回の改正で加入可能年齢は70歳未満まで引き上げられ、掛金の上限も大幅に増額されます。
これは「働きながら老後資金を積み立てたいシニア層」にとって大きなメリットです。
しかし一方で、受け取り時の税制優遇は厳格化され、退職金とiDeCoを短期間で受け取ると税負担が重くなる可能性が高まります。
例えば、60歳でiDeCo一時金、65歳で退職金を受け取ると、従来よりも税金が増えてしまうケースがあります。
制度改正はチャンスとリスクが表裏一体であるため、「どのタイミングで受け取るか」という出口戦略を考えることが欠かせません。

まとめ:制度を使いこなすには「個別設計」が必要です
新NISAもiDeCoも素晴らしい制度ですが、「どちらが得か」という一般論では語れません。
実際には、家族構成や年収、将来のライフイベントによって最適な選択は大きく変わります。老後資金を最優先する人もいれば、教育費を重視したい人もいるでしょう。
だからこそ、専門家に相談して自分に合った資産形成プランを描くことが重要です。

新NISAとiDeCoどちらを選ぶ?両方一緒に活用しませんか?
私はこれまで多くのご家庭に寄り添い、資産運用や老後資金対策を一緒に考えてきました。
制度の細かい違いを知るだけではなく、「あなたの人生設計にどう組み込むか」を一緒に整理することで、将来の安心感は大きく変わります。
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お金や将来の不安を一人で抱え込む前に、ぜひ一度ご相談ください。